音質補正系エフェクター
音質補正系エフェクターには、イコライザー・コンプレッサー等があります。
他のエフェクターに比べて音色を大きく変化はさせるわけではなく、音を補正する為のエフェクターです。
イコライザー(EQ)
EQと呼ばれるものですね。大きく分けて2種類に分けられます。
よくオーディオ機器等でみた事もあると思います。
イコライザーには、グラフィック・イコライザー(グライコ)とパラメトリック・イコライザー(パライコ)の2種類があります。
基本的に使用目的は同じですが、
グラフィック・イコライザー(グライコ)
グラフィックEQは、見た目がグラフィカルなので、視覚的にわかり易く直感的に補正ができます。イコライザーを初めて扱う人には、パライコよりも扱い易いでしょう。
<メリット>
見た目で全体を把握することができるので、直感的な操作が可能です。
<デメリット>
変えられる周波数帯が各スライダーで決まっている為、
パライコよりも変えられる幅が狭い。
スライダーの数(バンド数)が増えれば増えるほど大型な物になります。
(PA等で使う15バンド位だとラックタイプになったりします。)
パラメトリック・イコライザー(パライコ)
パラメトリックEQ(パライコ)は、補正する周波数帯を自由に選ぶ事ができるので、
グライコよりも、より細かいセッティングが可能です。
<メリット>
周波数帯を数値で変えることが出来るので、グライコよりも細かい調整が可能。
音質もグライコよりも優れているといわれています。
<デメリット>
数値で判断するので、グライコに比べると扱いが難しい。
しかし、最近では、グラフも付いている視認性の高いパライコもあります。
イコライザーの調整について
一般的にイコライザーを調整するには以下の3つの要素が重要になります。
<Frequency>・・・・・・周波数帯
<Q>・・・・・・・・・・・周波数の帯域幅
<Gain>・・・・・・・・・音量の増減
この3つを使いこなす事が重要です。
使い方は、基本的にマイナス方向に使用します。
やってしまいがちなのが、「この音域が欲しいからブーストする!」という事です。
ブーストすると他の楽器の音域と重なってしまい、
よく言われる「音がダンゴになる」(同じ周波数帯に音が混在している)状態になってしまいます。
基本的には耳障りな部分を削るという方法が良いでしょう。
また、ギターに限らず、作曲して編曲して、
「さぁ、MIXするぞ」という時に、必ずといって言いほど使います。
その場合には、各楽器の美味しい部分を残すために重なる部分を削っていきます。
また、野外ライブ等で急遽PAをやらなければいけない。
という時には、是非使い方を覚えておくと全体を良い音にすることができるでしょう。
DTM・DAWで楽曲制作を行う人には、是非覚えて欲しいところです。
コンプレッサー・リミッター
コンプレッサー・リミッターは音を変えるというより、
音を圧縮(compress)して形を整える為のエフェクターです。
また、ディストーションとかリバーブと違い、エフェクターの効果が分かりにくいかもしれません。
最初の内は良く分からない!なんていうこともありますが、非常に重要なエフェクターのひとつなので、本格的にギターを弾く、作曲をするという人は覚えておくと損はないです。
ギターの場合は、クリーントーンでのカッティング等をする際の音の粒立ちを揃える時に使われたりします。
作曲・編曲をした後の楽曲をMIXする時に使う方法として、各楽器のバランスをEQで音を補正し、”コンプレッサー”で各楽器の音を圧縮させてバランスをとるという使い方があります。
また、最終のマスタリング時に全体を“マキシマイザー”というエフェクターで音圧を上げたりもします。
コンプレッサー
コンプレッサーを使う目的は
「大きい音を圧縮させて小さい音と音を揃える」
ですね。
クリーントーンで弾いた時、
いきなり「ギャン!!!」ていう大きな音を圧縮してくれるエフェクターです。
音の粒を揃えるのに効果的です。
しかし、気をつけなければいけないのが、
かけ過ぎると、ピッキングのニュアンスが得られなくなり、機械的なサウンドになってしまいます。
音にダイナミクスをつけたい。等という場合には使いすぎに注意しましょう。
DTM等での楽曲制作には必ずといって良いほど使われます。
以下の波形をみてみましょう。
コンプレッサーの効果
こちらがコンプレッサーをかける前の音の波形です。
こちらがコンプレッサーを掛けた後の波形です。
波形の幅が広くなっているのが分かると思います。
何が起きたかというと、「大きい部分を圧縮して小さい部分に合わせて全体を大きくした」
という事です。
これが音の粒を揃えるという、コンプレッサーの効果です。
リミッター
リミッターは音量を指定したレベル以下に抑える為のエフェクターです。
コンプレッサーと同様に音の粒立ちをそろえます。
何がコンプと違うの?ですが、基本的に効果は同じです。
1点違う事は、コンプの場合には音のばらつきを押さえて音圧を上げる事ができますが、
リミッターは「純粋に指定したレベルを超えたときに作動する」という事です。
最近では、リミッターのみのエフェクターは少なくなった様に感じます。
大抵のギタリストは、コンプレッサーを使っている場合が多いですね。
コンプレッサー・リミッターのつまみについて
コンプレッサー・リミッターを使う場合には、主に以下の設定を行います。
<スレッショルド(Threshold)>
ここで決めた値以上になるとコンプレッサーを発動させる。
という区分を分けの値です。
<レシオ(Ratio)>
音量をどの位の比率で圧縮するかを決める。
2:1とか、4:1といった値で決めます。
例えば、レシオ比率を2:1に設定した時に、スレッショルドで決めた値より、”10”越えた音量は、”5”に圧縮します。4:1設定すると、2.5になります。
音の密度を濃くするには比率を上げる。という事になります。
<アタック(Attack)>
コンプが発動する早さ。早ければ早いほど直ぐに発動。
例えばアタックを5msに設定してレシオを2:1にした場合、スレッショルドを超えた部分が5ms
で2:1になる。という事です。
ちなみに1ms(ミリセカンド)は1/1000秒です。
なので5msだと0.005秒になります。
アタック音を残したいときには遅めに設定し、ガッツリとコンプを掛けたい場合には早めに設定すると良いでしょう。
<リリース(Release)>
コンプが掛かってから解除されるまでの時間です。
短く設定すると、直ぐにコンプが解除され、音にダイナミクス感を残します。
長く設定すると、音全体にかかるイメージになります。音が平坦なイメージですね。
是非、ギター以外にも作曲・編曲をする際には必要になってくるエフェクターです。
使い方を覚えておくと良いでしょう。
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